桑島さんのコラムが届きました

(某A新聞社のサイトにある「USAまずいもの大全」に掲載されたものです。ん〜、食べてみたいなあ…)

漢方薬のジェリー? Spice Drop

 小生、滞米17年でもこれはひどかった。アメリカに来た最初の日、自動販売機にRoot Beerの文字を見つけ、風呂上がりにぐびっと飲んで吐き出した、あの味よりひどかった。

 もともとアメリカの駄菓子などには見向きもしなかった私だが、たまーに無性に甘味が欲しくなるときがある。手元に日本の繊細でまろやかなお菓子があれば、もちろん有無を言わさず口に放り込むが、そのときは単身赴任で何も無かったので、グロサリーの駄菓子コーナーへ向かった。

 ろくなものは置いてない。「レーズンのチョコがけ」「ミミズのサワーキャンディー」・・・なんじゃこれは。まあ、アメリカ人が好きなんだから許せるかと横を見ると「Spice Drop」なるジェリー菓子があった。

 見た目はグレープ、オレンジ、レモン、外側にごわごわにこびりついている砂糖さえ我慢すれば何とかいけるかも。フルーツテイストだもんね。小さなバケツ半分くらいの大きさだったが、まあ腐るもんじゃないしと買い込み勇んで家に帰った。

 最初はグレープから、と紫色のドロップを口に放り込んだ。ざらざらの砂糖で口の中を切りそうになるが、それを我慢して「ぐにゅ」とジェリーをかんだ瞬間、「何じゃこれは! かびが生えてるんでは?」

 薬のような歯磨き粉(今の練りタイプではなく昔の粉のヤツ)みたいな、苦くってつんとくる漢方薬のような味が口中に広がる。その後、焼けるような甘さが・・・。うそでしょー!?

 今度は黄色を食べてみる。レモン? ぐぇー、さっきよりも薬くさい! なんだか風邪薬のカプセルが破れてしまって中身が舌に触れてしまったような、そんな味。

 そう、これはその名の通りSpice味(例えばクミン、シナモンEtc)のジェリーだったのだ。「こんな恐ろしい食べ物が世の中に存在したのか?」というような食べ物だった。

 私は焼けつく甘味と奇妙にくそ苦い味にうち震えながら「よし、今度日本に帰るときは是非このSpice Dropをお土産にして、是非目の前で食べてもらってその反応を見よう。そのあと1時間くらいはアメリカのすばらしい味の食べ物の話で盛り上がるぞ」と心に誓ったのだった。

 ちなみにその次の日このSpice Dropの詰まった小バケツを会社に持っていったら、半日でなくなった。アメリカ人の味覚って??

匿名希望/ワシントン州在住

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